『シベリア超特急』 [日本映画]

『シベリア超特急』 (1996・日本)
■監督:MIKE MIZNO
■撮影:安藤庄平
■音楽:塚本達朗
■キャスト:かたせ梨乃 菊池孝典 アガタ・モレシャン シェニー・スェニー 水野晴郎
ギャーー!!
周りからの親切な忠告(役者の演技が酷過ぎる、ストーリーが意図不明、1時間半を返せ、おれの青春を返せなど)をなんとか振り切って、遂に悪名高き「シベ超」を見てしまいました。もう後戻りは出来ません。
このレビューを書く時間すら勿体無い気がしますが(笑)、せっかくなので書きます。もうとにかくすごい。つっこみどころがありすぎて、何をつっこめばいいのかがよく分からなくなるほど。皆さん一応演技をしているつもりなのでしょうが、基本的にセリフは全て秒読み。そして水野氏クラスになると、明らかにカンペを読んでいる(笑)。「大根役者」って言葉がありますが、大根だってもっと巧く演技するだろうに。しかもこれだけでもすごいのに、他にも色々すごい。もうとにかくすごい。ボクワカラナイ。
やや興奮した文章になりましたが、この映画ばっかりはいくら書いても真実は伝わりません。観てのお楽しみです。ただしその時間を他のことに当てた方が、より有意義な時間になることだけは忠告しておきます。
「いやぁ、映画って本当にいいものですね」
【勝手に採点:採点不可】
『ディスタンス』 [日本映画]
『DISTANCE』 (2001・日本)
■監督:是枝裕和
■撮影:山崎裕
■音楽:なし
■キャスト:ARATA 伊勢谷友介 寺島進 夏川結衣 浅野忠信
この映画は、無差別殺人事件を犯したカルト教団の親族である男女4人とその教団の元信者が、ふとしたことから同じロッジに泊まることになり、そこでの一日の様子を描いたものです。笑えるシーンはほとんど無く、淡々と時間が流れていきます。
音楽は一切使われていません(エンドロールでもなし)。それはきっと、ほとんどの撮影が山奥の小屋で行われているため自然の音を活かそう、とすると同時に視聴者が画面の一部に含まれているような印象を受けることが出来るようにだと思います。また演技も自然で(あまり台詞はなかったらしいです)、僕はいつのまにか彼らに親近感を感じるようになってました。きっとまんまと是枝氏の罠にかかったのでしょう。
今までの映画だと(僕が知らないだけかもしれませんが)、「加害者の家族」を中心に据えた映画って少なかった気がします。当然加害者は一人で生まれてくるわけではないですから、加害者の数以上に「加害者の家族」はいるわけですよね。そこにスポットを当てて、さらにその複雑な心境をよく描いていました。
この映画はさらに「遊び」の要素も含まれています(それはより深い悲劇なのですが、これから見る方のために伏せて置きます)。正直見終わってから5分くらい気付かなかったのですが(バカですね)、なかなか上手に随所随所に手がかりを挿入しています。これからご覧になる方は、その点も楽しんで見てくださいね。途中で気付いた方がいたら、かなり鋭いと思いますよ~。
【勝手に採点:★★★★★★★★★☆】
大河のうた [アジア映画 【その他】]

『大河のうた』 (1956・インド)
■監督:サタジッドレイ
■撮影:スプラタ・ミットラ
■音楽:ラヴィ・シャンカール
■キャスト:ピナキ・セン・グプタ スマラン・ゴーシャル コルナ・バナルジー
以前からこの監督の名前は知っていて、本当は『大地のうた』という作品を見たかったのです。しかしその作品は僕が愛用しているレンタルビデオ屋さんには置いていませんでした。そこで先日たまたまこの作品を見つけたので、早速借りて先日見てみました。内容は、なかなか良かったです。が、それからネットでちらちらこの映画の情報を見ているときに、衝撃的な(というほどでも無いのですが)ことに気付きました。
どうやら『大河のうた』は『大地のうた』の続きらしい。
ということでやや後悔しましたが、これにめげずいつか『大地のうた』を見ようと思ったのであります。さて、長い前置きはこの辺にして本編に。
僕はインドが好きで今まで3回訪れているのですが、こういうインド映画もあるのか、と新鮮でした。僕は現地で数回映画館へ足を運びましたが、そのほとんどが『踊るマハラジャ』みたいな美男美女が踊って歌う(しかも異様に長い)映画なのです。まぁインドの映画館で見ている分には楽しいのですが(インド人は、きれいな女優さんが出てくると口笛をならしたり、拍手したりするんですよ(映画館で!)、それを見ていて楽しいってこと)、それ以外で見ても絶対面白くないんですね(笑)。ですのでこういう所謂「普通の」映画を見たことなかったのです。
優秀な成績で高校を卒業し、未来への希望を胸に抱えて都会へ向かうオプー。それに対して、息子に平凡な僧でもいいから、田舎で一緒に暮らすことを望んでいる母親。移動の自由(土地・階級)のある現代では、万国共通のテーマであると思います。若者は都会へ行きたがり、親はそれに反対して手元に置こうとする。映像と音楽がなかなか良いので(あまり派手ではないので、安心して見ていられる)、見応えありの作品となっています。他のも見てみよう。
【勝手に採点:★★★★★☆☆☆☆☆】
『龍城恋歌』 [中国映画]

『龍城正月 Dragon Town Story』 (1996・中国)
■監督:ヤン・フォンリャン
■撮影:ザオ・フェイ
■音楽:チャオ・チーピン
■キャスト:ウー・チェンリン ユウ・ヨン ホアン・チョンチャウ リン・ウェイ
製作総指揮はチャン・イーモウ氏。
彼の作品は好きなので、これも見てみました。
近年の『HERO』やら『Lovers』はイマイチだったのですが、これは中々面白かったです。
チャン・イーモウ氏にしては珍しく(まぁ監督は違いますけれど)、もちろんそんな底抜けに明るくはもちろんないけれどハッピーエンドでした。
端的に言って、これは復讐の物語です。「復讐に一生を捧げる」って感覚が平和ボケしている僕としてはよく分からないのですが、どうなんだろう。まぁこればっかりは実際にそういう状況に立たないと分からないことですね。もっとも人間だし、対話を選びたいところですが。
【勝手に採点:★★★★★★☆☆☆☆】
『THE OTHER FINAL』 [アジア映画 【その他】]

『THE OTHER FINAL』 (2002・日本,オランダ)
■監督:ヨハン・クレイマー
■撮影:レックス・ブランド
■音楽:マーセル・ワルヴィッシュ
■キャスト:ディニッシュ・チェトリ オットリー・ラボーデ
これは2002年の日韓ワールドカップ決勝戦(ブラジル対ドイツ)と同日、アジアの仏教国ブータンで行われた「もう一つの決勝戦」のドキュメンタリーです。「もう一つの決勝戦」とは、FIFAランキングの最下位2国、202位のブータンと203位のモンセラート諸島が試合をして、最下位を決定する試合のことです。
このフィルムでは試合開催が決定した日から、実際に試合が行われた日までを描いているものなのですが、こう言ってはなんですけれど面白い。次から次へと災難が襲い掛かってくるんですね。両チームともコーチが不在になったり、モンセラートの選手たちがカルカッタで足止めをくらったことが原因で感染症に罹ったり、審判が前日まで決まらなかったりと、日本で行われる決勝戦とは規模が全然違うわけですね。しかし、僕個人的にはこの試合には胸をうたれるものがありました。それは、本来サッカーとはこうあるものではなかったか、と。
オリンピックでもそうですが、このように世界規模のスポーツ大会となると、スポンサーである大企業を宣伝することが最優先、みたいな「金儲け」が中心にあってスポーツはおまけのようなところがありますよね(まぁある程度は仕方ないのかもしれませんが)。それに比べると規模も小さいおかげで、「一般庶民が楽しむためのサッカー」であるこちらの決勝戦の方が、選手も観客も楽しんでいるように見えました。愛国主義的で狂気的な熱狂ではなくて、純粋にボールが蹴られているのを見て楽しむ、というシンプルな熱狂がそこにはありました。
あと大きな声では言えませんが、NikeとAdidasはこの試合のスポンサーになるの拒否したみたいです。何だかせこくていやですね~(笑)。
【勝手に採点:★★★★★★★☆☆☆】
『あの娘と自転車に乗って』 [アジア映画 【その他】]

『Beshkempir (The adopted son)』 (1998・キルギス,フランス)
■監督:アクタン・アブディカリコフ
■撮影:ハッサン・キディリアレフ
■音楽:ヌルラン・ニシャーノフ
■キャスト:ミンラン・アブディカリコフ アルビナ・イマスメワ アディール・アブリカシモフ
初めて見てみました、キルギス映画。
感想はというと、とーーーっても長閑な映画でした。思春期の少年の様子を描いた作品で、最初の方はひたすら淡々と進んでいくのですが、これが何故か退屈じゃない。少年たちの息遣いまでが聞こえてきそうで、いつの間にか映画に入り込んでいく感じです。
少年のお婆さんが後半で亡くなり、その時に少年に遺言を託します。そして皆の前で託された遺言を発表するシーンがあるのですが、その遺言がまた素晴らしいものなんですね。それは、正確ではありませんが確かこんな内容でした。
「もしお婆ちゃんがお金を借りていたら、僕が返します。
もしお婆ちゃんがお金を貸していたら、無かったことにします。」
こんな世界がまた地球上にあったんですね。
【勝手に採点:★★★★★★★★☆☆】
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』 [欧州映画]

『Lock Stock&Two Smoking Barrels』 (1998・イギリス)
■監督:ガイ・リッチー
■撮影:ティム・モーリス・ジョーンズ
■音楽:デビッド・A・ヒューズ ジョン・マーフィ
■キャスト:ニック・モラン ジェイソン・ステイサム ジェイソン・フレミング デクスター・フレッチャー スティング
こういうのかなり好き。
監督はマドンナの旦那さん、ガイ・リッチー氏。
僕の頭にある勝手なイギリスのイメージ「マフィア、不良少年、タバコ、酒、退廃、でもユーモア」みたいなものを、とてつもなくご上手に描いていると思います。まぁうるさいドタバタ騒ぎと言えないこともないのだけれど、それもオシャレとして軽快なリズムに乗せてぐいぐい引っ張っていきます。
こういう映画はどこまでバカバカしくユーモアたっぷりに描くことが出来るか、が勝負だと僕は勝手に思っているので、大満足でした。
それにしても、この映画のタイトルは日本語訳をつけた方がいいんじゃないの?
『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』 公式ページ
【勝手に採点:★★★★★★★★★☆】
『プロミス』 [中東映画]

『promise』 (2001・アメリカ)
■監督:ジャスティーン・サピロ B.Z.ゴールドバーグ カルロス・ボラド
■撮影:ヨーラム・ミロ イラン・ブックビンダー
■キャスト:ヤルコ ダニエル マハムード シュロモ サナベル ファラジ モイセ
さてさて、今回は僕の個人的にお気に入りの映画、プロミス。
テーマは、残念ながら今でも連日悪いニュースに登場してしまうイスラエルとパレスチナ。
僕はおととしの冬に中東を訪れたのですが(シリアとヨルダン)、この辺でもイスラエル問題に触れました。例えばみなさん、パスポートにイスラエルの入国スタンプが残っていると、シリアに入れないのって知ってました?それくらいこの辺の地域は現在でもピリピリしてるんですよね。
それでは本題。この映画では、イスラエルに住む普通の子供たちと、パレスチナ側(ウェストバンクだったかな?)に住む普通の子供たちとの交流(監督のゴールドバンク氏を通してお互いの写真を見せたりして、お互い興味を持たせるようにして一日遊ばせるまで)を描いています。
「今までイスラエル人に私達パレスチナ人の境遇を説明した子どもがいる?いないでしょ」
映画の中で、複雑な心境を抱えて逢うのを拒んでいたパレスチナの男の子に対して友達の女の子が言ったセリフです。これが何よりも大事なことだと僕は思います。それは言葉を用いて説明、対話すること。それが問題解決の第一歩であり、なお且つ最終手段であると強く感じていますから。まぁどっかから「何甘いこと言ってんだ」って声が聞こえてきそうですが、最終的にはこれしか解決策はないのでは?と、それを改めて認識させてくれる良い映画でした。
【勝手に採点:★★★★★★★★★☆】
『青の稲妻』 [中国映画]

『任逍遥 Unknown Pleasure』
(2002・中国,フランス,韓国,日本)
■監督:ジャ・ジャンクー
■撮影:ユー・リクウァイ
■音楽:不明
■キャスト:チャオ・タオ チャオ・ウェイウェイ ウー・チョン リー・チュウビン
さて、『世界』に続いてジャジャンクー氏です。
これまた、青春をリアルに描写した映画、『青の稲妻』。
さっそくですが、邦題がやや意図不明でした。
英題の方が良かったんじゃないな「退屈な日常」、とか(我ながらセンスないなぁ(笑))。
これを見てみて、ジャジャンクー氏は、本当にリアルな日常を描くのが巧いことを改めて実感。中国の地方都市、大同を舞台に青春時代特有の虚無感みたいなものを描いた作品なのですが、とにかく淡々と捉えております。
この映画の印象に残っているのは、とにかくタバコを吸うシーンが多いこと。もうやたらめったら吸っております(笑)。いくら中国人がタバコ大好きだからって、演出過多では?って最初は思ったのですが、後になってこの地方都市ではタバコを吸うくらいしかやることがないんだな、ということに気づきました。それにしても荒廃とタバコはよく似合う。
いろいろな意味で、空っぽの映画です。青春時代の心の穴を思い出しました。
主役のウーリョンは、噂によると「中国のジャン=ピエール・レオ」などと呼ばれているそうですが、ジャン=ピエール・レオ好きの僕としては、そこまではいってないなと一人抗議するのであります。いい演技はしてましたけどね。
【勝手に採点:★★★★★★★★☆☆】
『ブエノスアイレス』 [香港映画]

『Happy Together』 (1997・香港)
■監督:ウォン・カーウァイ
■撮影:クリストファー・ドイル
■音楽:ダニー・チャン
■キャスト:トニー・レオン レスリー・チャン チャン・チェン
久々にウォン・カーウァイ氏の作品でも。
非常に切ない恋の物語、『ブエノスアイレス』
2年くらい前に見たのですが、あんまり覚えていなかったためもう一回見てみたのですが、改めていい映画ですね~。
しかも、トニーレオンが騙されてブエノスアイレスに連れてこられた、なんて背景も最近知ってから見てみたので、さらにいい(笑)。
レスリーチャンはさすがに本物というだけあって、演技がうまいですね。迫ってくるシーンとか、ベッドで独り泣いているシーンなんかは、本当に一瞬女性っぽく見えるから不思議です。本当に切ない恋物語でした。形こそ少し違うにしても、全く違和感を感じることなくて良かったです。音楽がすごーくいいですし。
イグアスの滝は是非とも生で見てみたい。
【勝手に採点:★★★★★★★★★★】






